月別アーカイブ: 2013年10月

美術館とは?各展示スペースの違い

アート鑑賞の身近な場、美術館
そもそも美術館の役割をご存知でしょうか

【美術作品を中心とした文化遺産や現代の文化的所産を収集・保存・展示し、またそれらの文化に関する教育・普及・研究を行なう施設である】Wikipediaより引用
なるほど、ではギャラリーとは 画廊とは、、

これらはなんとなくは認識しているけれど、その違いを明言できるかとなるとちょっと心細いと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか
私は明言できる自信があったものの、ブログを書くにあたり下調べして一番ひっかかったポイントはロンドンやワシントンにあるナショナルギャラリーの存在
これまで美術館という認識でいましたが、改めて何故ギャラリーという名がついているのか疑問を持ちました

ギャラリーといえば入場無料でアート作品を展示・販売する場と捉えていました
美術館はコレクション・保存の役割を担っていますから(施設維持のため作品の売却することもあります)、ここが大きく違うはずでした
ロンドンのナショナルギャラリーでは特別な企画展示をのぞいて入館は無料
ただし、維持管理費用の一部を寄付でまかなうため、寄付を募る箱が数カ所に設けられているとのこと

他にもギャラリーと名のつく所はは基本入場無料のようです、もちろん例外はあって東京オペラシティアートギャラリーは有料であったりします

上記したギャラリーは公的な施設についてで、民間のギャラリーは展示を目的としたスペース
今度はギャラリーと画廊の違いにについて

一見すると、英語か日本語の違いだけではないのか?と思われるかもしれませんが違いはあります
Ouchi GalleryオーナーArisaさんのブログ「学校では教えてくれないアーティストのなり方」 (番外編/画廊とギャラリーの違い)にわかりやすい説明があったので引用します

 

引用文【まず、「画廊」は読んで字のごとく基本的には「絵画」をベースに扱っており、アート作品の「販売」を目的にしています。
画廊にはアートコレクターとの繋がりがあるので、画廊が持っている顧客さんを中心にアート作品の販売をしているはずです。

ギャラリーは「展示」を目的にしています。
その結果として「販売」や「アーティストのプロモーション」なども含まれますが作品を販売しないインスタレーションアーティストやビジュアルアーティストの場合はギャラリーで展示をすることでプレスへの発表のチャンスを得ることになりエキシビジョンが記事になることがあります。
新聞や雑誌でアーティストを世に紹介することでそのアーティストの作品価値は高まります。】

 

似たように思える二つの存在も、目的や扱う作品が違うのがおわかりいただけたかと思います
私の場合、作品は絵なのでギャラリーでも画廊でも展示の機会がありますがインスタレーションの場合は環境が整う美術館やギャラリーでの展示になります
もっと大掛かりになれば、美術館でもギャラリーでもないオルタナティブスペースとなる場合もあります

オルタナティブスペースとは、美術館・ギャラリー・画廊以外のこれまでアート展示のために使われたことのなかった場所を指します
例えば野外であったり商業施設、工場跡等かなり広範囲になります

時代が進むにつれアート作品の範囲も広がり、そのためのスペースも多岐にわたるようになりました
最近では島ごと展示スペースにした直島越後妻有が有名ですが、日本各地で地域活性にとあらゆるアートイベントが開催されています
ご旅行がてらこのような所を巡るのも楽しいでしょうね

と、今回は展示スペースについて説明しましたがそれぞれ例外はありますので大まかに違いを捉えていただければ幸いです
時代と供に作品も展示スペースも多様化し常に情報は更新されています
美術館だけでなく、色々な場所へ足を運ぶのも新たな刺激になって楽しめるのではないでしょうか

美術館での鑑賞「混んでいて疲れる?」

イギリスの美術館・博物館の専門月刊誌「The Art Newspaper」が毎年発表している「世界で最も人気のある展覧会・美術展」によると、2012年に世界で一番入場者数(一日あたり)を集めたのは東京都美術館で開催されたマウリッツハイス美術館展 – オランダ・フランドル絵画の至宝 - 」とのことで、トップ10内にも「ボストン美術館 日本美術の至宝」(東京国立博物館)がランクインし、日本の美術館入場者数は世界トップレベルです

そりゃ混むはずです
週末に美術館へ行ったことがある人なら、身に覚えがありますよね
とにかく混んでいる!

平日が休日の友人に聞いたところ人気のある展覧会は平日でも混んでいるようです。。
あれだけ混んでいれば、鑑賞していて疲れるのは当然です!

以上!

 

 

と、できたのなら記事を書くのも楽なのですが
そうもできないので、続けます

確かに美術館は混んでいるのですが、これにも抜け道はあります
まず、美術館には「企画展」と「常設展」があります

上記にあるような「マウリッツハイス美術館展 – オランダ・フランドル絵画の至宝 – 」「ボストン美術館 日本美術の至宝」これらは企画展にあたります

そして、美術館が混んでいるのはこの企画展に人が押し寄せているからです

 

それ以外にも美術館には価値ある作品をコレクションする役割もあります
美術館がコレクションしている作品を展示する常設展
この常設展が狙い目です

日本国内には世界的にも貴重なコレクションがたくさんあります
この貴重なコレクションを鑑賞するだけでも十分価値ある時間が過ごせます
常設展のみの鑑賞なら費用もかなり安くなりますし、何より空いているのでゆったりと鑑賞できます

これはかなりオトク感あるのではないでしょうか
常設展はその美術館の特色でもありますから、それぞれの特徴を感じ取ってみるのも面白いものです

 

企画展はもちろん魅力ある作品が時に世界各国から集められ展示されています
でも、あまり美術館へ行き慣れていないのなら、またはお連れの方とゆったりした時間を共有したいのであれば常設展は行ってみる価値があります

 

いかがでしょうか

黙って鑑賞しないといけない
知らないことがあると気になってしまう、後で調べるのは面倒
混んでいて疲れる

美術鑑賞で感じがちなストレスというのは各記事で記述した通り、これまでとちょっと違うアプローチをしてみるだけでずいぶんと楽しくなるものです

次回、鑑賞へ行くときはこれらのことを参考にしてみてください

 

美術館について知っておくと楽しくなるようなことがもう少しあるので、あと数回続きます

美術館での鑑賞「知らないことがあると気になってしまう、後で調べるのは面倒?」

美術鑑賞はアート史、社会背景、アーティストの背景等の予備知識があると作品への理解がより深まり楽しめます

感覚的な鑑賞もこれはこれで楽しめるものですが、一歩踏み込んだ鑑賞の楽しさはまた格別です
だからといって、行きたい展覧会がある→まずは勉強→鑑賞→復習なんていちいちやっていられないですよね
それならば、気になる展覧会があればとりあえず足を運んでください
美術館にはその展示に関する必要な情報が用意されています
館内のエリアによってジャンル分けされ、エリアごとに必要な情報が掲載されています

まずは情報をしっかり読み込み鑑賞するのでも、先に感覚的に鑑賞して後で情報を入れるでもどちらでも楽しめます
私はどちらかというと後者で先に作品をざっと鑑賞しますが、これは好みでしょうね

 

と、ここまでなら何度か美術館へ足を運んだことのある人なら誰でも知っていることですよね
ここからがポイントです
鑑賞の最中にこの作品はどうやって作られたのか?キャプションに知らない用語が記載されている
そんな疑問を抱えたまま通り過ぎていくことはありませんか?
これもその場で解決する方法があります

それは近くにいる学芸員さんに聞くことです
館内で椅子に座っている係の人を見かけたことはあるかと思います
この方は警備員ではなく学芸員で鑑賞中の疑問に答えてくれる有難い存在です

わからないことがあれば素直に聞いてみると時には資料まで引っ張り出して答えてくれます
前回のブログでも記述しましたが
私は誰かと美術館へ行けば、作品について意見を言いながら鑑賞します

現代美術の展示だと特にどのように制作されたのか気になるものです
同行者と推測して意見が割れたときに学芸員さんに声を掛け、時に優越感に浸り、時には予想が外れ敗北感を味わうときもあります

予想を立てて答えを聞く、これだけでも楽しいものです
LOVE展で展示されていたジェフクーンズハートをラッピングした作品はワイヤーで吊るしてもいないのにどうやって自立しているのか不思議でした
ついでに言うととにかく大きいので運搬方法まで気になりました

学芸員さんに聞いてみると土台から太いボルトで固定させ、大きな塊に見える作品は3つのパーツから編成されているとのことでした

思わずその場で唸りました
カラクリを聞いてみれば簡単な答えでも知らなければわからないことはたくさんあります

気軽に聞いてみると思いもよらないことに出会えるので是非やってみてください
当然、ギャラリーでも有効な方法なのでギャラリーで疑問があればスタッフの方に尋ねてみてください

では、次回は「混んでいて疲れる」について記述します

美術館での鑑賞「黙って鑑賞しないといけない?」

先日、新宿の常設展示しているお店Penthouse cafeへ知人を案内したときのこと

彼女は美術館で鑑賞をするのは好きだけど、館内で窮屈で息苦しい思いをするのが苦手とのこと
まとめると以下の通り

・黙って鑑賞しないといけない
・知らないことがあると気になってしまう、後で調べるのは面倒
・混んでいて疲れる

きっと、多くの人が上記のようなことを感じたことはあるでしょうね
でも、これらは思い込みを訂正して認識を改めるだけで払拭できることばかりです

 

まず、「黙って鑑賞しないといけない」について
このように考える方はきっと「館内はお静かに」という看板がどこかに貼られていて館内では喋らないことがマナーだと捉えているのでしょうね

そんなことはありません
美術館では作品について感想を話し合う、意見を述べることは禁止されていません

私自身、誰かと美術館へ行ったときは作品について話しをしながら鑑賞しています
せっかく素晴らしい作品が目の前にあるのに、ただ黙って鑑賞するなんてもったいないとすら感じます

これはギャラリーでの鑑賞にも共通することですので、ギャラリー巡りされるときも活用してください
というわけで、実は美術館には「館内はお静かに」という看板は貼られていることはほとんどありません
驚かれる方もいるかもしれませんが、これは思い込みによっていつの間にか刷りこまれた情報ではないかと思います

だからといって、大声で喋る・ただの世間話・携帯での通話は他の鑑賞者の妨げになるので当然マナー違反です
鑑賞に関係あればOKということです

 

余談ですが、今夏行った森美術館のLOVE展でのこと
LOVE展ではLOVEをテーマに多くのアーティストによる作品が展示されていました

その中で二つほど、とてもユーモアを感じる作品があって作品の前で友人とゲラゲラ笑いました
それでも注意は受けませんでした

これは世間話しをして笑ったわけでなく、鑑賞の結果としてなのでOKなのです

 

次に美術館・ギャラリー巡りをされるときは是非お連れの方と作品について意見をぶつけ合ってみてください
もし、意見を述べることに慣れていないのであれば作品の気に入った箇所や色彩について話すことから始めてみてはいかがでしょうか

 

次回は「知らないことがると気になってしまう、後で調べるのは面倒」について記述します