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制作過程 “忘我/Infatuation”

Penthouse Cafeや酒席で制作過程を見せると面白がってもらえることがあるので
こちらでも公開してみようと思います
展示するときは完成された結果だけですのでたまにはこういうのもいいのではないでしょうか

 

 

本来は自分が参考にするために制作過程を撮影しています
そのため過程をしっかり撮影し残っていることは少ないのですが今回は「忘我」の過程を紹介します

©忘我
忘我/Infatuation
2014
Acrylic on panel
410×318mm


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ざっと下描きしたところです
中年男性が酒を飲むシーンのクローズアップという頭にあるイメージを画面へ大まかに写した具合です
下描きをしっかり描くときもありますが、上図のように描きながら考えることのほうが多い気がします

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色数をおさえて表情、顔の角度などをデッサンするように調整しています
モデルがいる場合もありますがこの作品は特定のモデルはいません
資料を参考にしたり鏡の前で同じポーズをしながら形を確認しています

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さらに服を描いてどんな体勢で飲酒しているのかをはっきり捉えていきます

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そして、盃を持つ手を描き加えていきます
ちなみに完成状態と比較するとおわかりになるかと思いますが髪型が違います
この時点ではボサボサで散らかったような髪型にしようと考えていました

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だいたいの構図や人体のポーズも決まったので色数を増やしていきます

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ひとつ前の過程からいっきに描き進めて背景にも手を加えています
人体の色は先に陰影を描きこんでいる段階だと思います
そして髪型をいじっているうちにオールバックに落ち着き完成形に近くなりました

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だいぶ完成に近付いてきましたが制作中は着地点をどうするか、うんうん唸り続けていた段階です

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背景のモヤで潰れていた服などの箇所を再び描き起こし、残すところは微調整となります
こういう終盤の段階はほとんど手は動かさず観察がメインになります
違和感やノイズを見つけては修正します

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そして完成です!
この作品にどのくらい時間がかかったのかはっきり覚えていませんが、だいたい1ヶ月前後だと思います

この作品は中年男性が酒を飲むことで現実の煩雑なことを忘れ、自分の時間に没頭している瞬間を切り取りたかったので
なにより、その表情を大切に描き進めていきました
酔いが訪れることにより現実を切り離し、まどろみの中で幸せな時を楽しんでいるような雰囲気が出るよう画面を作り込んでいきました

 

いかかでしたでしょうか
私は時間を確保できるときに制作していますので、その他の時間に次をどう進めるかを考えるためにこのように過程を撮っています
ですからダイナミックに画面が動いている過程は手を動かすことに夢中で記録できていないのが残念なのですが、これまでの過程画像のなかから見応えありそうなものを探してまた載せてみます